植物
暗さに強い植物はどれだ!? ~結果発表~
以前の投稿「暗さに強い植物はどれだ? ~実験始めました!~」で、植物の光環境を変えた照度実験の投稿をしました。今回はその結果を発表します!
光環境の実験に使用した植物たち
以下の植物たちが研究対象。レンタルグリーンによく使われる植物です。植物名から図鑑へリンクしているので、詳しい特徴や育て方などもご覧ください。


運命の結果発表!
まずは、箱の中に入れた植物たちから見てみましょう。

実験開始直後
どの植物もみんなイキイキとしていて元気です。

一か月後
左から、クロトンは下の方の葉が枯れてきています 。シェフレラは全体的に枯れていて、他の樹種よりも傷みがひどいです。サンセベリアは特に変化は見られません。テーブルヤシの新芽は出ていますが、葉が少し黄色くなっています。

二か月後
左から、クロトンは葉の枚数がさらに少なくなり、斑の色が抜けました。シェフレラは葉がすべてなくなり、枝も茶色く変色してしまいました。サンセベリアは、特に変化は見られません。テーブルヤシは残っている葉が黄色くなり、枯れ葉も増えています。

実験の結果
樹種ごとに見ると、箱に入れてからの経過に以下のような特徴がみられました。
| クロトン | 葉が増えず、下の方の葉から枯れてくる |
| シェフレラ | 枯れていくスピードが極端に速い |
| サンセベリア | 特に変化なし |
| テーブルヤシ | 新芽は出てくるが、同時に枯れ葉が増える |
箱の中で育てた植物に注目すると、シェフレラ→クロトン→テーブルヤシ→サンセベリア(変化なし)の順で枯れていますね。ということで、今回の実験から暗さに強い植物は
1位 サンセベリア
2位 テーブルヤシ
3位 クロトン
4位 シェフレラ
という結果になりました!!
では、なぜこのような結果になったのでしょうか。私たちなりの仮説を考えてみました。
| サンセベリア | 厚い葉に水分や養分を蓄えることができるため、光合成の効率が高い特性を持つ |
| テーブルヤシ | 原産地が熱帯の林床であったことから、暗い環境にも適応できる特性を持つ |
| クロトン | 葉に斑が入っており葉緑体が少ないため、光を吸収する力が弱い 、 暗い環境では十分な光量を得られなかった |
| シェフレラ | 葉を落としやすい樹種である 、光が少ない環境ではエネルギーを 節約するためにより多くの葉を落とした |
耐陰性の原因は樹種によってそれぞれなのではないかと、今回の実験で思いました。
日光と蛍光灯の環境下を比較実験
次に、日光と蛍光灯それぞれの環境下で育てた植物を比較してみました。
実験開始直後
左が日光を当てた環境、右が蛍光灯のみの環境です。

一か月後
蛍光灯下でのテーブルヤシの新芽が出てきました。

2か月後
日光下と蛍光灯下どちらの環境も新芽が出ていますが、日光下は新芽が出やすく伸びが早かったです。水も沢山吸っていました! 蛍光灯下に置いた植物達と比べて植物の成長が早いと感じました。

▼植物の成長の結果は以下のようになりました。
| クロトン | 葉の色が濃くなりました |
| シェフレラ | 新芽が増えました |
| サンセベリア | 僅かに葉が伸びました |
| テーブルヤシ | 新芽が増えました |
社員の感想
それぞれのお客様の異なった環境の現場に、植物を置かせていただいている社員の体感としても、暗さへの強さは今回の実験結果と同じであり予想通りでした。しかし、樹種によってこれほど傷んでいく経過に違いがあること、特にシェフレラの傷むスピードと変わり果てた姿には驚きました。
お客様のところにお持ちする植物を選ぶ際、暗い環境の場所にはなるべく傷まないように、環境に合った植物を耐陰性を含め考えています。今回の実験結果も今後の植物選びの参考にしたいと思います。
まとめ
多くの観葉植物は、日光が当たらなくても蛍光灯がついたお部屋で十分育ちます。日当たりの良い場所だとさらに育ちやすいです。極端に暗い部屋ではほとんどの植物が枯れてしまいますが、中にはサンセベリアのように暗さに耐えられる植物もいます。
観葉植物を家で育てる時は、室内の設置場所と樹種選びが重要です。より長く植物を楽しむために、植物の耐陰性などにも注目してみてください。
