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キンモクセイ(金木犀)・造園社員の植物ノート 

キンモクセイ 野沢園blog 造園

だんだんと日が暮れるのも早くなり、秋が深まっていくのを感じますね。木々が色づいていくのを楽しみにしています。

さて今回は、造園部が作業で使用することもある身近な樹木、「キンモクセイ(金木犀)」についてご紹介します!

キンモクセイ(金木犀)について

まずは基本データを見ていきましょう。 

名称キンモクセイ(金木犀)
学名Osmanthus fragrans var. aurantiacus
科名モクセイ科
属名モクセイ属
原産地中国
開花期10月ごろ
樹高2~5m

花は橙黄色で小さく多数まとまって開花するため、遠くからでもかなり目立ちます。 日本では雄株しか流通していないため、結実しないそうです。

キンモクセイ 野沢園blog 

都内でもマンションの生垣や公園などでキンモクセイが植栽されているのを見かけます。開花時期の10月ごろになるとキンモクセイの甘い良い香りが街中に漂ってくる印象です。その香りを感じるたびに毎年私は「秋が来たな~」と思っています! 

ギンモクセイって知ってる?

ちなみに、皆さんはキンモクセイに似た樹木があるのをご存じでしょうか?

それはこちら、「ギンモクセイ(銀木犀)」です。

ギンモクセイ 野沢園blog

同様に、基本データを見ていきましょう。

名称ギンモクセイ(銀木犀)
学名Osmanthus fragrans var. fragrans
科名モクセイ科
属名モクセイ属
原産地中国
開花期10月ごろ
樹高2~5m

花は白色で良い香りがしますが、キンモクセイほど強烈ではありません。葉の縁にギザギザとした細い鋸歯があることで、キンモクセイと区別できます。ちなみにキンモクセイはギンモクセイが元になっていて、ギンモクセイの変種とも言われています。

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キンモクセイとギンモクセイの葉の違い

ここでキンモクセイとギンモクセイの葉を見比べてみましょう。

▼キンモクセイ

キンモクセイ葉 野沢園blog

▼ギンモクセイ

ギンモクセイ葉 野沢園blog

少々分かりづらいですが、若干ギンモクセイの葉の方が、葉の縁がギザギザしている(鋸歯がある)ように見えますね。 ギンモクセイよりもキンモクセイの方が多く流通しているため、現在ではギンモクセイを見かける事の方が少ないと思われます。 

また「○○モクセイ」という樹木は他にも、「ヒイラギモクセイ(柊木犀)」や「ウスギモクセイ(薄黄木犀)」などがあります。ウスギモクセイは日本国内でも結実可能だそうです。 

ぜひこの秋、皆様の身近にもキンモクセイやギンモクセイが植えられているかどうか探してみてください! 

【参考文献】野田坂伸也 「木を選ぶ 野田坂造園樹木事典」(2011) p225、226 株式会社アボック社 

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