造園
草笛吹けば木々はざわめき~植物で楽器を作ろう

世界には様々な楽器が存在しますが、そのうちの多くが植物を加工した部品で作られています。 そこで私たちの身近にある植物や現場で手に入る材料、会社内の廃材などを使って簡易的な楽器を作成してみることにしました。
ナンキンハゼ(南京櫨)の種で作るシェイカー
今回は、ナンキンハゼの種と会社内の廃材から「シェイカー」を作成します。 ナンキンハゼとはトウダイグサ科ナンキンハゼ属の落葉高木です。秋になると葉が色づき、特徴的な実をつけます。
▼ナンキンハゼの実です。いくつかの実が房になるようにまとまって実ります。

▼ナンキンハゼの殻をむく前のものです。殻の上からでも何となく種がどう入っているか想像つきますね。 小さい実には種が2つしか入っていないものもあり、かなりレアでしたが4つ種が入っているものもありました(写真は撮り忘れました…)。

▼ナンキンハゼの実は固い殻(種皮)に覆われています。

▼ナンキンハゼの実を割ってみると白い種が3つ、円をなす形で入っていました。

▼これだけの種を取り出すことができました。

容器の作成
次に容器の作成です。 会社の廃材置き場から拾ってきた板材を加工しました。 表面に凹凸を作ることで、音の響きが変わるように工夫しました。

▼材料がそろったので組み立てていきます。 ボンドで接着して組み立てました。いい仕上がりです。

▼いよいよナンキンハゼの種を入れて音を確かめてみます!

完成!マラカスのようなシャカシャカとした音になりました!
シェイカーってどんな楽器?
最後にシェイカーについてご紹介しましょう。 シェイカーとは、中空の容器の中に小石や種子などを入れて振ることで音を鳴らす楽器の名前、または同様な構造をもつ楽器の総称です。 構造が簡単なため世界各地で類似した楽器が誕生し、有名なものではマラカス、カシシ、アサラトなどが挙げられます。
例えばマラカスは「マラカ」というヤシ科の植物の実を乾燥させ、中に細かい砂などを入れたものが起源だと言われています。 シェイカーの仲間はどれも植物を基本の材料として作ったものが多く、また比較的作りやすかったため手始めにこの楽器を選びました。
今回は板材で作った箱に種子を入れて作りましたが、中身を砂利やビーズに変えると音色が変わって面白そうだと思いました。
【参考文献】 庭木図鑑 植木ペディア/ナンキンハゼ(南京櫨)