みどりを観る・ソメイヨシノの早咲きに挑戦2

野沢園サクラ

樹木医である野沢園社員が、業務中や外出先で見かけたもの、気になったものを観察したり集めたり、調べてみる「みどりを観る」シリーズ。

今回は冬に剪定した「ソメイヨシノの早咲きに挑戦」の続きです。

前回は1月に剪定したソメイヨシノの切り枝を持ち帰り、室内と建物内に分けて観察を始めたところまでお伝えしました。2月24日の時点で、室内の切り枝の花芽はかなり膨らんでいました。その後の経過です。

2月28日、観察を始めてから33日目

室内においたソメイヨシノの切り枝の花芽がこちら。

野沢園サクラ

休業日で空調を切っていた週末に寒い日が続き、あまり芽が膨らみませんでしたがもう間もなく咲きそうです。

▼同日、廊下の切り枝はうっすらと花弁らしきものが見えてきた程度です。

野沢園サクラ

2月29日、観察を始めてから34日目

室内のソメイヨシノが開花しました。

野沢園サクラ

今年の東京のソメイヨシノ開花予想は3月18日頃(※2月末の時点)と言われていましたので、20日近く早咲きとなりました。

▼一方、廊下の切り枝は開花までもう少し時間がかかりそうです。

野沢園サクラ

3月2日のサクラの様子

室内の切り枝は三分咲き程度です。

野沢園サクラ

▼3月4日、室内の切り枝に遅れること4日、廊下の切り枝も開花しました。

野沢園サクラ

この結果よりソメイヨシノの開花には温度が関係していることが推測できます。ソメイヨシノが開花するためには、主に日照時間ではなく温度が関係していると言われています。

休眠打破とは

休眠していた花芽が開花の準備を始める「休眠打破」を迎えるためには、ソメイヨシノの場合「低温要求時間」と呼ばれる8℃以下の低温に800~1000時間程度さらされる必要があるそうです。東京周辺の開花が、九州地方に比べて早いのはこの「低温要求時間」の条件をクリアすることが九州地方より早いためです。

600℃の法則

そして「休眠打破」から「開花」するまで、積算平均温度(平均温度の合計)18℃以上が400時間、積算最高温度(最高温度の合計)が600℃になることが必要と言われています(開花予測における精度は積算平均温度の方がやや高いそうです)。これをサクラが開花する時期の目安とする「600℃の法則」といいます。

野沢園ではこのような温度管理をして開花調整を行い、満開のサクラ装飾を演出するなど季節の装飾も行っています。これからの季節、街中でサクラの装飾を見かけることもが多くなります。もしかしたら野沢園が装飾したサクラを見ることがあるかもしれません。

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