植物

紅葉のふしぎ~Part2~

木枯らし1号が吹いた日を境に、木々の色づきが一段と進んだように感じます。

野沢園はクリスマスモードになり、街もクリスマスの装飾が始まっていますが、

まだまだ晩秋の‘紅葉’も楽しむことができます。

 

 

紅葉を楽しむ一助になればと、ちょっと前に‘黄葉’について紹介しました。

覚えていますか?忘れた方は紅葉のふしぎ~Part1~でおさらいしましょう。

そして今回は、赤くなる‘紅葉’のメカニズムを紹介したいと思います。

 

紅葉している葉の中では、クロロフィルが分解され、残ったカロテノイドにより葉が黄色く見える現象‘黄葉’も起こっています。それに加えて赤くなる現象が起こっているのです。

 

赤くなる現象、それは赤い色素であるアントシアンが生合成されることにより起こります。

冬に備え葉に残された糖がアミノ酸と結合してアントシアンがつくられるのです。アントシアンがつくられる理由として、過剰な日光から葉を保護する日よけの役割があると考えられています。

また、赤い色素と言いましたが、アントシアンは酸性では赤、アルカリ性では青になる性質を持っています。ふしぎですね。

 

つまり紅葉は、緑色のクロロフィルが消失し、黄色のカロテノイドが残り、赤いアントシアンがつくられるため、葉が赤く見えるようになっているのです。

 

 

美しい紅葉が見られるのはどのような条件なのでしょうか。

例えば、夏から初秋にかけて晴天の日が続き、秋に急に冷え込むようなときが挙げられます。

‘紅葉’‘黄葉’のメカニズムから考えると、急な冷え込みがクロロフィルの消失を促し、晴天の日光から葉を保護するためにアントシアンをつくるため鮮やかな紅葉となるのでしょう。

逆に、夏に雨天が多いと光合成が活発には行われないために糖の生成が少なく、アントシアンも少なくなり紅葉がさえない年になってしまうかもしれません。

 

 

以上2回にわたり簡単ではありますが紅葉のメカニズムを紹介しました。

樹木の中には紅葉するもの、黄葉するもの、紅葉と黄葉の両方もつもの様々あります。

今年紅葉を見に行ったという方も見逃したという方も、また来年紅葉の季節が訪れますので、木々の様々な装いの変化を楽しんでみてください。

 

 

さて次回は、グリーンレンタルで取り扱っている、ちょっと珍しい植物をご紹介する予定です。どんな植物が登場するのか、お楽しみに!

 

 

 

 

 

参考文献

堀大才・岩谷美苗(2002)『図解 樹木の診断と手当』農山漁村文化協会

嶋田幸久・萱原正嗣著(2015)『植物の体の中では何が起こっているのか』ベレ出版

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