植物
落葉、そして樹の形

新しい年になりました。2018年もよい年にしていきたいですね。さて今回は、落葉についてお話します。
落葉樹とは

落葉樹と常緑樹という区別の仕方をみなさん御存知かと思います。1年の中で葉が無い時期があるか無いかで区別しています。ではなぜ落葉樹は葉を落としてしまうのでしょうか。それは葉をつけていても「非効率だから」です。葉の光合成で得られるエネルギーよりも、葉を維持するコストが高くついてしまうのです。
非効率になる時期はいつかというと、日が短く温度が低い為に光合成の活動が停滞する冬や、水分が乏しい乾期といった時期に落葉が起こります。日本では冬の落葉が一般的です。
落葉して見えてくる樹の形は、樹種により個性があり、とても美しいです。
落葉樹の種類
代表的な落葉樹をご紹介します。落葉して樹形が見やすい冬の期間に、みなさんも樹の形の面白さを探しに行きましょう。
ケヤキ
街路樹や公園などでよく見るケヤキは代表的な落葉樹です。ケヤキは枝が箒や扇のように広がります。広場の中でたくさん光を浴びてのびのびと枝を伸ばしている姿が雄大ですね。「日本三大美樹」(ケヤキ、スギ、カエデ)といわれるくらい、樹形がきれいな樹木です。

イチョウ
イチョウはみなさんご存じだと思います。葉や実を見てイチョウだと認識すると思いますが、木の形にも特徴があります。イチョウの木の特徴は勢いの良い枝が真っ直ぐ上に伸びる性質があることです。ただし実(銀杏)をつける雌樹は雄樹と比べ、実の重みで枝が下がる傾向にあるようです。

黄葉したイチョウの落葉を見つけたら、近くの樹を見渡してイチョウの樹形にも着目してみてください。樹種の違いや環境の違いで樹の形は様々です。
アキニレ
アキニレは初秋に花が咲き、晩秋に見がつきます。樹形は傘状や卵形といわれ、丸みを帯びて広がりを感じさせます。樹皮は灰褐色でざらついています。

サクラ
サクラの木は皆さんよく知っていると思いますが、葉や花がない時期のサクラの木を見たことはありますか?サクラは幹がまっすぐ立ち、枝が横に大きく広がる「開帳型(かいちょうがた)」をしています。枝は放射状に伸びて、傘のように広がった姿になります。この樹形のおかげで花が良く見えるのです。枝が層のように重なり、立体的な奥行きのある樹冠がとても美しいシルエットの樹形をつくりだします。

メタセコイア
メタセコイアは「生きた化石」とも呼ばれる落葉針葉樹で、美しい樹形と紅葉で人気の高い樹木です。直立した円錐形(円すい型)の樹形で、美しい整ったシルエットが特徴。樹高は20〜30m以上にも達する大きな樹木で迫力があります。

以上、落葉と樹の形についてご紹介しました。ぜひ冬の落葉樹の美しさも楽しんでくださいね。
おまけ・スノードロップ
大きな樹木の足元に、スノードロップが咲いていました。清楚で可憐な姿から、「雪のしずく」「雪割草」とも呼ばれています。春が近づいているのを感じます。
