インタビュー

一般社団法人 ニューオフィス推進協会様 New Ofiice Promotion Associaation

今回は、1986年の発足当時からよりよいオフィス環境のあり方を提言し、オフィスにかかわる先端的な情報を発信している一般社団法人ニューオフィス推進協会様にお邪魔しました。そこで、これからの時代のオフィスのあり方から、オフィスグリーンの効果・役割についてお話をお伺いしました。

クリエィティブなオフィスとは

ニューオフィス推進協会は経済産業省と連携して、日本の企業が新たな価値を生み出し、生産性を高めることができる環境を作ることを推進しています。オフィスワーカーが個性や感性を生かし、クリエイティブなオフィスを実現することが企業の業績向上にもつながります。

私たちは新しいオフィスづくりの普及・促進を図ることを目的に、クリエイティブなオフィスを表彰する「日経ニューオフィス賞」を毎年実施しています。創意工夫を凝らした全国の企業から、多くのご応募をいただいています。多くのオフィスを目にして思うのは、最近のオフィスの傾向としてグリーンを取り入れる企業が増えているということです。クリエィティブな発想を促すためにグリーンがもたらす効果が求められていることを感じますね。

オフィスグリーンの割合が増加

過去3年「日経ニューオフィス賞」に応募いただいた企業にアンケートを実施したところ、160社から返答がありました。「オフィス内のグリーンを拡大しましたか」というアンケートに対し、「55%が拡大」「32.5%が新設」という回答が得られました。合わせて87.5%のオフィスがグリーンを拡大新設しているということになります。それだけ皆さんの意識がグリーンに向いているのだと思います。

また「緑視率」という言葉がありますが、それはその名の通り人の視界に入る割合のことをいいます。個人差はありますが、15~25%以上の緑視率が集中力や癒し効果を高めるとされ、積極的にグリーンをオフィスに入れる現象がおこっています。実際仕事をしていて目の端にグリーンが見えると、生産性・集中力が高まり、心も安らぐという声も聞かれます。

本物の植物を入れることで上がるオフィス空間の質

オフィスグリーンの種類には本物の植物の他にフェイクグリーンもあります。メンテナンスや室内環境を考慮してフェイクグリーンを入れることも多くありますが、本物の植物を入れた方がオフィス空間の質を高めることができると思います。野沢園さんが携わり、2023年度ニューオフィス推進賞を受賞したSAPグループさんや兼松さんのオフィスなども多くの本物の植物を入れていますよね。本物の植物を入れることは、成長や変化を楽しむことができ満足度があがるという声もあります。

以前からグリーンをオフィスに取り入れるという概念はありましたが、コロナ禍以降さらに増加したような気がします。ハイブリッドな働き方が進められるなか、オフィスは家とは違った幸福な空間であるとことが求められるようになっているからではないでしょうか。とくに若い人に人気なカフェのような空間にグリーンは欠かせないですよね。オフィス空間の快適性や健康志向が企業の印象を高めるので、リクルート時にも有効だと思います。

コミュニケーションツールとしての植物の可能性

目で見て楽しむだけでなく、実際植物に触れて楽しむことを実践している企業さんも増えています。例えば社員に一人一鉢植物を用意し、身近なデスクにおいて育てるということをしている企業がありました。植物にはいくつか種類があり、好きなものを選べるので、その人の個性や好みなどもわかり、植物がきっかけとなってコミュニケーションがとりやすくなったそうです。

ほかにも、実がなる植物をみんなで育てて収穫し、それを収穫祭というイベントで食べてみるという企業もあります。これらは植物が社員のコミュニケーションツールとして使われている一例ですが、コストもそこまでかけずにできる福利厚生のひとつだと感じます。身近に植物を置くことで癒し効果も得られると思いますよ。

今後オフィスグリーンに求められること

こうやってグリーンの必要性を感じる企業が増えてきていることは間違いないですね。以前は壁面緑化なども敬遠されていたのですが、今は入れたいという要望も増えています。設計段階から鉢の数や植え桝などグリーンありきで図面を作成されていますしね。

反面グリーンをオフィスに導入することで懸念されることもあります。それはどうやってグリーンを健康に保つかということです。植物は生き物なのでどうしても枯れたり痛んだりしますよね。そこが気になって仕事に支障をきたさないように、メンテナンスがきちんとできることが不可欠です。植物に必要な水・光・風を適切に与えられるような仕組みづくりが大切になってくると思います。

ご提案のポイント

今回は取材のみのインタビューで、野沢園のグリーンレンタルをご提供していないので、ご提案のポイントではありません。ニューオフィス推進協会様には、今後のオフィスグリーンのあり方について、とても有意義なお話を伺うことができ感謝しております。 オフィスグリーンが求められている一方、多くの方はメンテナンスへの不安があることを話していただきました。植物に必要な光・風は、専用の照明やファンを入れることで解決できることがあります。オフィス内のグリーンを健康的に保つために、野沢園は今後もプロの技術で、植物メンテナンスのお手伝いや工夫の仕方なども提供していけたらと思います。

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