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アセビ(馬酔木)について~造園社員の植物ノート 

馬酔木について 野沢園ブログ

2025年もそろそろ終わりが近づいてきています。2025年は巳年でしたが、2026年は午年ですね! ということで、今回は名前に「馬」が入る、とある植物をご紹介いたします。 

それは「アセビ(馬酔木)」です! まずは基本データを見ていきましょう。 

アセビ(馬酔木)とは

アセビの葉 野沢園ブログ
学名Pieris japonica subsp. japonica
科名・属名ツツジ科アセビ属
原産地日本
開花期2~4月ごろ
樹高1.5~4m

アセビは根元から数本の幹が立つ「株立状」のこんもりと球形にまとまった樹姿になります。葉は細く濃緑色で控えめな印象のものと、斑が入り少し明るめな印象のものがあります。

▼斑入りアセビ

斑入りアセビ 野沢園ブログ

花の色は白や紅色があり、品種のバリエーションが豊かな植物です! 日本庭園から洋風のガーデンまで、様々なお庭に合わせやすい植物として親しまれています。

▼白い花のアセビ

白色アセビの花 野沢園ブログ

▼ベニバナアセビ

ベニバナアセビ 野沢園ブログ

一つの枝に沢山の花がつき、花のついた枝が滝のように下にしなって伸びる様子が個人的にはとても豪華で華やかに感じるので、開花時期にはアセビを見かけると毎回写真を撮影してしまいます! 

アセビの漢字はなぜ馬が入るの?

アセビとは? 野沢園ブログ

ここまで読んでいただいて、「なぜアセビの名前には馬が入っているの?」と思われたのではないでしょうか? アセビの名前が「馬が酔う木」という漢字表記になった由来があります。

アセビは「アセボトキシン」という動物の呼吸中枢を麻痺させる有毒物質を含んでおり、馬などがこれを食べるとあたかも酔ったようにふらつき、果ては昏睡状態に陥るところから名前がついたという説があります。 動物のなかには本能的にアセビを避けるものもいるらしいですが、ペットがいるご家庭は公園での散歩の際などアセビの誤飲にお気をつけください。 

まとめ

「美しい花にはトゲがある」という言葉があるように、花が綺麗なアセビはこのような毒をもつことで外敵から身を守っているのかもしれません。 

「アセビ(馬酔木)」のように名前に動物の漢字が入る植物は他にもあります。皆さんもぜひ探してみてくださいね。

 今年、造園社員の植物ノートは今回の「アセビ(馬酔木)」を合わせ、5つの記事を公開させていただきました。来年も面白い植物のお話を紹介していきたいと思っています!

▼造園社員の植物ノート・公開記事

「キンモクセイとギンモクセイの違い・造園社員の植物ノート」 

「キク(菊)重陽の節句・造園社員の植物ノート」

「シャクナゲ・造園社員の植物ノート」

「一重咲きと八重咲きの仕組み・造園社員の植物ノート」

【参考文献 】

・野田坂伸也 「木を選ぶ 野田坂造園樹木事典」(2011) p241株式会社アボック社 

・深津正 「植物和名の語源」(1999)  p.198-199 八坂書房  

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